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〜クスリ漬け大学生Queenの毎日の挑戦〜

薬局の裏側ってどうなってるの?

薬学生ですので、先日まで薬局の実習に行っておりました。3ヶ月、平日毎日薬局に通っておりました。長いようで短い3ヶ月でした。今日はその経験を活かして薬局ってどんなところだったかをお伝えできればと思います。

 

目次

 

 

 

薬渡すだけじゃないの!?

実習行く前は恥ずかしながら、薬局なんて薬を間違えずに渡すだけだから簡単な仕事だろうなあとか思っていました。皆さんも、そう思っている方が多いんじゃないでしょうか。実は、薬局にはたくさんの仕事が・・・。処方箋出してから、薬が出てくるのに意外と時間がかかるのにもワケがあったんです。今日は処方箋を受け取ってから、お薬を出すまでの流れについて解説したいと思います。

 

処方箋を受け取る

患者さんから、処方箋を受け取ります。ここで、まず確認するのがお薬手帳の有無。実習中、多くの患者さんがお薬手帳を持ってきていました。次に、処方箋内容の確認と、保険の確認です。月の初めの来局だと健康保険証の確認なども行います。公費などの記入や、保険の優先順位とか結構間違えるポイントが多くて患者さんによっては時間がかかるポイントです。

 

お薬手帳の重要性

お薬手帳は大切です。絶対に持って行ってください。まず、お薬手帳の加算があり最後のお会計が100円ちょっと安くなります。缶コーヒー1本が手に入るだけでなく、予測できる副作用を減らす上でも重要です。薬剤師は、きちんと過去の薬や、他の医療機関で出されている薬などを把握した上で、調剤をします。特に高齢者で薬の量が多いと、一緒に飲むと危険な薬の組み合わせがたくさんある場合もあります。実習中にも、過去のお薬の副作用や、他の薬との相互作用から処方内容が変更になることがたくさんありました。今日から気をつけましょう。災害時にお薬手帳を持っておくと、お医者さんも困らずスムーズに薬が受け取れるという意外なメリットもあります。

 

疑義照会

聞いたことある人も多いかもしれません。お薬手帳や、患者さんの状況と処方箋を照らし合わせて何かおかしいことや気になることがあったら医療機関に問い合わせを行います。疑義照会は結構あって、ほぼ毎日あったように思います。お医者さんも忙しいので、出すお薬を間違えたり、用量を間違えたりしてしまうんですね。最後のチェックが薬局に委ねられていると思うと、薬剤師の責任というのもなかなかなものです。私も、何回か問い合わせの電話を行いましたが、丁寧な問い合わせを心がけると向こうも丁寧に対応してくれました。電話がつながるのが遅かったり、お医者さんの手があいていなかったりで時間がかかってしまうこともしばしばありました。

 

薬袋・薬品情報の作成

薬袋は「やくたい」と読みます。聞きなれない言葉ですが、要するに薬の袋ですね。患者さんの名前や、お薬の飲み方が記載されたシールを袋に貼って作ります。薬が少ない人はいいですが、多い人になると薬袋が10個を超えることもあり、これを作るだけでも一苦労でした。

 

調剤

処方箋の打ち込みや、保険の確認が終わったら、薬を集めます。薬局にある薬の種類は膨大。私の行った薬局ではざっと2000種類以上の薬が所狭しと並んでました。棚に番号が振ってあり、探しやすくはなっているのですが薬の量が多いとなかなか時間がかかります。薬剤師以外にも事務さんなどもこの作業は手伝います。お薬を飲みやすくするために砕いたり、すべての薬を一つにまとめる一包化なども指示があれば行います。スピードも大事ですが、正確性が求められる段階です。私も3ヶ月でスピード・正確性ともに向上しましたが、薬局の方々には全く及びませんでした笑。

 

薬の取り間違え

度々起こる事件です。処方箋がたくさん舞い込む中、急いで集めているときにそれは起こります。2000種類もあると、名前が似ている薬がたくさん・・・。アムロジンとアムロジピンとかパッと見、どっちがどっちか分かりませんよね笑。あとは、用量の間違いも意外とあります。カルボシステイン250mgと500mgとかですね。私も数回用量のミスをしてしまいました。

 

監査

間違えは絶対に起こります。それを防ぐのが監査です。集めた人とは違う人が、処方箋通りに集まっているのか確認します。ここで保険の番号の間違いが見つかることもあります。その場合、パソコンの情報の書き換えなどに時間が取られてしまいます。

 

投薬

監査を通れば、いよいよ患者さんへの薬を渡す段階です。ここに来るまでにたくさんのステップがあるから、意外と時間がかかってしまうことを分かってもらえたと思います。すべて、患者さんの安全のためなので仕方ない時間です。機械の導入や、医療システムの大幅な改革などあればもうちょっと短くなるかもしれません。

 

服薬指導

患者さんに、お薬をただ渡せばいいだけじゃありません。薬の名前や、飲み方の確認、副作用の確認などを行います。この段階でも、患者さんとともに処方箋や、集めたお薬に間違いがないかをチェックしています。その他、残薬の確認や、飲んでいるお薬の副作用が出ていないか、運動はできているか、生活習慣はどうか、検査値の推移はどんな感じか・・・・などたくさんのことを確認します。それぞれを、棒読みで聞くのではなく患者さんに必要な情報のみを会話の中からスムーズに聞き出す必要があります。薬剤師にはコミュニケーション能力が一番求められるんだと実感しました。私も、100件弱、服薬指導を行いましたが、聞き方を間違えるとうまく情報を引き出せなかったり、患者さんによっては喋ってくれなくなってしまう方もいてとても難しかったです。

 

薬歴の記入

「お大事にどうぞ〜」と患者さんを見送ったあとも仕事は続きます。対応した患者さんの、気になる点や次回に聞くべき点などについてパソコン上にまとめておきます。これをすることで、次回にスムーズに必要なことを聞いたり、指導できたりします。情報をたくさん書いても後から読みづらいので取捨選択して簡潔に書くことが求められます。患者さんはどんどん来ているわけですからここに時間をかけることもできません。サッと書いたら、次の患者さんんの対応です。

 

薬局ってすごい

薬局って結構色々やってるんですよ。3ヶ月前まで、みなさんと同じで薬渡すだけだと思っていた私が偉そうに言えませんが笑。お医者さんには専門の領域がありますが、薬剤師にはありません。すべての病気や薬について詳しく知っている必要があり、薬剤師って結構すごいんだなと感じました。お医者さんも、患者さんに対して薬を出しますが、その患者さんが他の医療機関でもらっている薬を知らずに出してしまっていたりするので、薬局が薬の組み合わせを確認する最後の場所になっています。保険のチェックや、患者さんがきちんと薬を飲めているかの確認や、患者さんの不安なことや気になることを聞き出すのも大事な仕事です。薬や副作用の情報は日々アップデートされるので、薬剤師は毎日勉強を続けなければなりません。

 

最後に

薬局、薬剤師について少しでも分かっていただけたでしょうか。私は、実習前と後でだいぶ薬剤師に対する印象が変わりました。今後の医療制度をよりよくしていく上で、重要な役割をになっていくのかなと感じました。この記事で、少しでも薬局について知ってもらえたら嬉しいです。今度は、病院に実習に行くので、病院の薬剤師についてもまとめたいと思います。

 

 

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